For You
声にならなかったあなたの気持ちに、
もう一度出会うために。
16歳から20年。
一人の女性が、自分のために書き続けた
1000万字の日記から生まれた物語です。
真昼の夢
雛瀬なな / Drop+Kiss...+より
詩の書き手は、16歳のころにこう決めた。
「自分にすなおでいよう。」——そしてこの日記を書き始めた。
2016年2月27日(土)
真昼の星
ななは高校生になって、しばらくして、ある日、決めた。
「自分にすなおでいよう。」
そしてこの日記をかきはじめた。すると、瞬く間にふあんと恐怖とこどくにおそわれるようになった。ひとを好きになるのが思春期だと教えられたけれど、すきとかきらいの前に自分がそこにいていいのかがわからなかった。
いつの間にかリストカットするようになった。痛いとか、どうしてとか、ぜんぶわすれた。
ななはきっと、リセットされたんだ……
なながなんやかんやといっしょうけんめい日記をかくのには、明確な理由がある。それは、ただただ自分に素直でいようと努力するため。日記を書かなければ、日々は確実に年月を蝕んでゆく。……だから、書くってこと自体が、すでにすなおさなの。
言葉が出なかった。それでも、沈黙は何かを語っていた。
2014年6月、10年後に振り返ったカウンセリングの記憶。
でも、そういうとき先生は「最近どうですか?」とか「不安はありますか?」とか言うんじゃなくて、ただその沈黙に付き合ってくれたんだよね……。あれは単にカウンセリングに慣れない不安とか戸惑いとかじゃなくて……ななは沈黙という会話をしてたんだと思う……。
なんかね、沈黙しながら強烈にコミュニケーションをとってたんだと思うの……。
沈黙しながら、ななはこころのどこかで「沈黙していられる時間」を感じて、ほっとしてたのかもね。親とそんな風にコミュニケーションとったことなかった。こども扱いしてもらったこともなかった。
Drop+Kiss...+ — 2014年6月1日(日)より
心の中にずっといる5歳の女の子について、カウンセラーに話した日のこと。
「……おかしいんじゃないかと思われたことはありますか?」と先生が尋ねた。
「ちっとも、わたし、おかしくなんかないです。
だって、ずっといるんだから!」
ーー Drop+Kiss...+ より、イマジナリー・コンパニオンの対話
『インサイドアウト』は、専門書でも励ましの本でもありません。一人の女性が、16歳から20年にわたって自分自身のために書き続けた日記から生まれた文芸ノンフィクションです。
当日の言葉のまま、後から書き直されることなく残された声。心の痛み、解離、喪失、内なる子どもとの歩みが、1000万字の記録として収められています。
あなたが感じてきた苦しさに、似た言葉があるかもしれない。
自分だけではなかったと思える瞬間があるかもしれない。
Amazon カスタマーレビューより(すべて★5 / 2026年)
★★★★★
インナーチャイルドを抱える全ての人にとってこの本はバイブルでありお守りのように感じます。どこか自分自身と重ねて読まれる方も多いと思います。わたしもそうです。何か心に違和感や辛さを感じる方にはぜひこの本を手に取って欲しいと思いました。
★★★★★
独特の美文と哲学的な解説が交差し、最後まで読み通すことによりすべてがつながっていたのだということが理解できます。自分の苦しみを言語化しよう、という勇気をいただきました。
Drop+Kiss...+
真昼の夢も、沈黙の時間も、さみしい5歳の女の子も——この本の源となった記録は、Drop+Kiss...+と名付けられた一人の日記です。
詩と日記が交差するその場所へ、もう少し近づいてみませんか。
あなたの苦しさは、本物です。
言葉にならなくても、本物です。
自分だけがおかしいわけではありません。
あなたの中にある声も、
大切にしていい。
苦しみを言葉にしようとすること。
自分の感情に名前をつけようとすること。
それだけで、すでに何かが始まっています。
声にならなかったあなたの気持ちに、
もう一度出会うために。
インサイドアウト「内なる子ども」を癒す〜Drop+Kiss…+より〜
著者:雛瀬なな 編:敷島真也 監:内田裕之(Ph.D.)
上巻・下巻、全国書店・オンライン書店でお取り扱いしています。