Author — 著者

雛瀬なな

まだ出会っていない声が、
あなたのなかにあります。

About

雛瀬なな

Nana Hinase

1988年、三重県生まれ。心理カウンセリングを通じて幼少期の傷に向き合い、その歩みを綴った「Drop+Kiss…+」の作者。

16歳から20年にわたり自身のために記し続けた日記であり、その全体が一つの詩のような佇まいを帯びている。

→ Drop+Kiss...+

Drop+Kiss...+ より

ひみつ

世界は片手でおおきなひみつを わたしたちに隠しながら もう片方の手で真理を示すようにみえる わたしたちは 互いを愛しあうことで その真理を見ることができる ひみつをたとえしらなくても 愛することが答えだと そして感謝し祈ることで応えようと ふとそんなきもちになった

Drop+Kiss...+ より

初い花

蹲っていた体がうずきだして 走った 躓きながらも どうしてわたしは ねがい いのり ひとり 光から閉ざされないよう ただ待っていたのだろう あの光は ここに降り注いで 地上を温め 草も木も あのちから目指し まっすぐに 伸びてゆくのに 駆け出したわたしをまっていてくれた 朝つゆにぬれた あらたな芽が ここにとどく光をおしえてくれる あなたが いてくれる 冬に竦んでいた脚は 走った まっすぐに わたしたちの目指すもの あのちから目指し 追いかけた 胸に刻んだ友と 腕に刻んだ刻と すべてつれだしてかけてゆく あの光は 細くとぎれてしまうような 儚いものではなく もっと  もっとも 力強い輝きと轟音で この世界に迎え入れられる おおいなるものへ おおいなる力へ わたしをまっていてくれた うすももいろの初い花 そっとちかづくと やさしい風が吹き あたたかさとくすぐったさに おもわずほほ笑む わたしたちは てにいれた 秘かにひそやかに この季節をてにいれた

Publication

インサイドアウト「内なる子ども」を癒す
〜Drop+Kiss…+より〜

雛瀬ななが書き続けた記録から生まれた文芸ノンフィクション。
著者:雛瀬なな 編:敷島真也 監:内田裕之(Ph.D.)