敷島真也 Masaya Shikishima
1987年、東京都世田谷区生まれ。慶應義塾大学大学院にて前期博士課程修了(物理化学)。IT系大手テック企業でのエンジニアを経て、株式会社andnp代表。
本の価値を信じるということ
独立系の本屋が増えています。文フリや即売会では、作り手の顔が見える本を求めて、たくさんの人が集まっています。
本には、大きく2つの側面があると私は考えています。ひとつは、情報を伝えるツールとしての側面。もうひとつは、物語を伝えるツールとしての側面です。
世の中はどんどん情報が断片化し、流れていくようになりました。SNSや生成AIによって、必要な情報をピンポイントに得ることができます。そうした時代において、「情報を伝えるための本」の価値は、相対的に下がっているのかもしれません。しかしその一方で、「物語を伝える本」としての価値は、むしろ増している。わたしはそのように感じています。
わたしは昔から本が好きでした。本を手に取ったとき、そこにある世界観や、編まれた思考のまとまりに触れること。断片ではなく、一つの体系立てられ、まとまったものとして、物語や思想を受け取るという体験。それにとてもわくわくしてきました。
書籍の販売部数が下がっていても、文フリやZINEの企画には熱があり、実際に多くの人が集まっている。本を通じて人がつながり、その中心には飾っていたくなるような本がある。物語を求める声は、むしろ広がっているのではないか。そう信じて、わたしは出版社を立ち上げました。
andnpが目指すこと
andnpが刊行するのは、日記・詩・医療記録・カウンセリング記録など、誰かが長い時間をかけて書き残したものから生まれる文芸ノンフィクションです。
こういう記録には、「物語を伝える本」にしかできないことがあると思っています。断片的な情報では届かない場所に触れることができる。ひとりの人間が生きながら書き続けたものには、専門書とも創作とも違う固有の重さがある。
現在の刊行物を支える一次資料は、約20年・1000万字超に及びます。それを臨床心理・医療・グリーフケアの専門家とともに精査し、文芸作品として手渡すこと——それが、わたしたちの仕事です。
敷島真也 Masaya Shikishima
1987年、東京都世田谷区生まれ。慶應義塾大学大学院にて前期博士課程修了(物理化学)。IT系大手テック企業でのエンジニアを経て、株式会社andnp代表。