Drop+Kiss…+ ── Poem

可能性のかけら

散り散り 砕け
波にはこばれ
たどりついた最果ての
ちいさなちいさな島で

ひとつひとつをかみしめるように
たいせつにひろいあつめても
わたしには重すぎて

ひとつひとつが
あまりにうつくしく
かがやいて
ちいさなちいさな
ひとかけら
その可能性の重みに
耐えられない

すべりおちて 
のがして
またおいかける
さらわれてしまわぬように

それだけの日々を
わたしは愛しいと
もどってはこられない
それでも叫ばずにはいられない
もういちどあいたい、と

きっと
それがかつてどんな姿だったか
ばらばらに砕ける前の
そのゆめの形を
おぼろげにしってはいても
わたしにはくもをつかむようなはなし

ひたすらに両足を焦がしながら
ひたすらにこの道を歩き
ひたすらに目をこらしながら
ひたすらにおいもとめる

あなたのおもかげ
あなたのゆめの
 あなただけがもってたもの

あなたごと
こなごなに
くだけてしまったのだとしても

わたしはまだ
こうしてひろいあつめている

あなたがすきだったものをしって
あなたがたいせつにしてたものをたいせつにおもって
あなたがよりそってほしいときによりそって

そんな理想論は
あなたの存在ごとくだけてしまったのだとしても

わたしはこうして
両足と胸と脳みそを焦がして

もう   
秋になってしまうよ

わたしたちはきっとたくさんのひとたちのなかからみいだされそしてわかりわかりあいわかちあいわかれいずれまたあえる

そんなところだろう

けっきょくはあなたのことすきだよ

さようなら
でもまたあえるから
そのときまた、ね

この詩は、雛瀬ななが2023年10月21日、眠れない夜の日記の中に書きとめたものです。
16歳から20年、誰のためでもなく綴り続けた日記『Drop+Kiss…+』の、一篇。